宅配の受け取りさえ玄関先だけ…誰も家に入れられなくなった高知市の汚部屋を本気で片付けるまで

インターホンが鳴ると、まず玄関のドアをどのくらい開けるか考える。そんな生活がいつの間にか当たり前になっていました。宅配便が来てもドアを大きく開けず、自分の体で室内が見えないようにしながら荷物を受け取ります。友人から「近くまで来たから寄っていい?」と連絡があっても、何か理由をつけて断るようになっていました。

本当の理由は、家の中を見られたくなかったからです。玄関の奥には大量の袋や箱があり、廊下も物で狭くなっています。居室には食べ終わった容器や衣類、生活用品などが混在し、床が見える場所はわずかしかありませんでした。

最初は単に片付けが苦手なだけだと思っていたそうです。しかし、人を家へ入れることができず、それを何年も隠し続けているうちに、「このままではまずい」と感じるようになりました。

人に見られない工夫ばかり上手になっていた

部屋が散らかり始めた頃は、誰かが来る前日に急いで掃除していたそうです。ところが物が増えるにつれて、一晩では片付かなくなりました。それでも人に見られたくないため、今度は人を家へ入れない方法を考えるようになります。

宅配は玄関先で受け取り、知人とは外で会う。家族が訪ねてきそうなときには「今日は都合が悪い」と断ります。こうした生活を続ければ、家の中がどれだけ荒れていても他人に知られません。

しかし、誰にも見られないことで片付けるきっかけもなくなっていました。「次の休みにやろう」と考えても、休日になれば大量のゴミを前にしてやる気がなくなります。数袋だけまとめて終わりということを繰り返している間にも、新しいゴミは増えていました。

隠すための片付けから暮らすための片付けへ

最初に本人が希望したのは、玄関周辺だけでもきれいにすることでした。ドアを開けたときに中が見えなければ、それで十分だと考えていたからです。

ところが玄関の物を減らしてみると、その奥の廊下にも大量の物があります。玄関だけ整えても、根本的には何も変わりません。それどころか、玄関にあった荷物を居室へ移動させれば、生活する場所がさらに狭くなります。

ここまで大量のゴミや不用品がたまっているなら、見える場所だけを取り繕うのではなく、家全体を整理する必要があります。高知市でゴミ屋敷片付けならハートスタッフへ相談する方法もあります。ハートスタッフでは高知市でゴミ屋敷状態になった住宅について片付けの相談ができるため、自分ではどこから手を付ければよいか分からなくなった場合にも相談先の一つとして考えられます。

今回は玄関をきれいに見せることではなく、「人が普通に家へ入れる状態」を一つの目標にしました。その考え方に変えると、片付ける範囲も自然に広がっていきました。

誰かに見られることより自分が毎日見ていることに気付く

片付けの途中で、本人がぽつりと「人に見られるのが嫌だったけど、自分は毎日これを見ていたんですよね」と話しました。

確かにその通りです。他人が家を見る機会はほとんどありません。しかし本人は毎日、玄関を開けるたびに大量の物を見ます。朝起きても、仕事から帰ってきても、同じ景色があります。

人に見られないようにすることばかり考えていたため、自分自身がその環境で暮らし続けていることにはあまり意識が向いていなかったそうです。

物が減り、玄関から居室まで普通に歩けるようになると、帰宅したときの感覚も変わりました。以前は玄関を開けた瞬間から物を避けて歩いていましたが、その必要がありません。たったそれだけのことでも、毎日の負担はかなり違います。

宅配便が来ても慌てなくなった

片付け後、意外な変化がありました。インターホンが鳴っても以前ほど慌てなくなったそうです。

以前は「ドアを開けたら中が見える」と考え、玄関周辺の物を急いで押し込むこともありました。今は玄関に余計な物がなく、普通にドアを開けられます。

だからといって、急に大勢の人を招くようになったわけではありません。それでも「誰かに見られたら困る」という不安がなくなっただけで、気持ちはかなり楽になりました。

部屋を片付ける目的は、人に褒めてもらうことではありません。自分が毎日安心して暮らせる状態へ戻すことのほうが重要なのだと思います。

まとめ

人を家へ入れられないほどの汚部屋になっても、外で人と会い、宅配を玄関先で受け取れば生活そのものは続けられます。そのため、問題を何年も隠したまま過ごしてしまうことがあります。

しかし、誰にも見られないから問題がないわけではありません。大量のゴミや物がある環境で毎日生活するのは本人です。

玄関だけを取り繕ったり、見える物を別室へ押し込んだりしても、家全体の物量は減りません。自力で片付けられないほど増えてしまったなら、一度まとめて整理することを考える必要があります。

「人を呼べる家にしたい」という理由でも構いません。それがきっかけになって、自分自身が気持ちよく帰ってこられる家を取り戻せるなら、大きな意味があるでしょう。